2010/12/14

東芝の液晶が再来年iPhoneのディスプレイに採用

東芝はスマートフォン向けに需要が拡大している
中小型液晶パネルの新工場を石川県に建設する。
投資額は約1000億円となる見込みで、2011年後半の稼働を目指す。
パネルは主に米アップルへ供給し、同社も投資額の一部を負担する。
東芝はスマートフォンに適した高精細で低消費電力型のパネル不足が当面続くと判断、
大幅な能力増強に踏み切る。


全額出資子会社の東芝モバイルディスプレイ(TMD)が、
石川県内にある東芝グループの遊休地を利用して新工場を建設する。
第5.5世代(1100ミリメートル×1300ミリメートル)のガラス基板を採用。
高精細な表示ができる液晶パネルを生産する。


高精細型のパネルは現在、TMDの石川工場(石川県川北町)で生産している。
生産能力は月産855万枚で、新工場の稼働により2倍以上に拡大する見込み。
TMDはアップルからスマートフォン「iPhone」用のパネルを受注しており、
新工場で生産するパネルの多くをアップルに供給する。


TMDのパネルは指先で画面に触れて操作ができるタッチパネル機能との親和性が高く、
アップルから評価された。新工場は年明けにも着工する。

中小型の液晶パネルはリーマンショック後の市況悪化に伴い、
各メーカーとも生産を縮小してきた。
TMDは国内に4カ所あった工場を半減し、
今年7月にはシンガポールの生産子会社を台湾企業に売却した。
世界首位のシャープも減産を続けてきた。

だが今年に入ってからはスマートフォンの人気に加え、
自動車市場の回復を受けてカーナビゲーションシステム向けのパネル需要も急伸。
TMDでは今夏以降、生産が追いつかない状態となっていた。
同社の業績も10年3月期まで3期連続で営業赤字だったが、
10年4~9月期に40億円の営業黒字に転換した。


米ディスプレイサーチによると、
中小型液晶パネルの市場規模は09年で176億ドル、
10年には203億ドルまで拡大する見込み。
スマートフォンや電子書籍などが読めるタブレット型端末の普及で、
17年には257億ドルに達すると予測している。

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